日本における家庭のインターネット普及率は非常に高く、2023年のデータによると、個人のインターネット利用率は86.2%に達しています。特に、スマートフォンを利用してインターネットに接続する割合が72.9%と高く、パソコンを利用する割合の47.4%を大きく上回っています。また、無線LANルーターの普及率は非常に高いです。2022年の調査によると、家庭で無線LAN(Wi-Fi)を利用している割合は約87%に達しています。この普及率は、毎年87%から88%程度で安定しており、ほとんどの家庭で無線LANが利用されていると言えます。
しかし、出来れば宅内配線による有線LANと、無線LANを併用することで、繋がりにくいデッドポイントや、速度低下を極力減らす事が出来るの、ご存じでしたか?
戸建て住宅におけるインターネット接続の最適な宅内LANの設置方法について、以下に分かりやすく説明します。
1. 無線だけじゃ大損
最近「光」とか「ギガ」など、高速回線を売りにする広告が一般的ですが、よく言われるのは「調子いい時の5Gの方が速くない?」身に覚えがありませんか? いくら高速回線を導入されていても、実は、ご家庭内で、大幅な速度低下の要因を作っているのがほとんどなんです。
その一番の原因は、無線LANの規格では、ギガビットの速度で電波を飛ばすこと自体が、難しいという事です。便利だからと、宅内を無線LANで、繋いでいるご家庭の場合、ひどい場合は、10分の1も本来のスピードを得ていない事も珍しくありません。出来る限り速度を無駄にせず快適なインターネット生活を送る為には、少なくとも、無線での接続は、スマートフォンや無線でしか接続できない、端末のみにする事をおススメします。無線LANルーターから、各部屋のアクセスポイントなどへの接続も無線にすると、当たり前に回線スピードはドンドン削られていきます。
その為には、電源のコンセントボックス同士をつなぐ宅内配管を利用して、可能な場所には、有線LANを敷設し、そこから、アクセスポイントを経由して無線LANを飛ばせば、まるで別物の様なスピードが得られるなんて事も、全く珍しくありませんので、せっかく契約した高速回線を無駄にしないように、一度、確認してみると良いと思います。
2. 事前準備と計画
それでは、まず宅内LANの設置計画を立てましょう。具体的には、以下の点を確認します。
- インターネット回線の種類: 光回線、ケーブルテレビ回線、電力会社など、利用するインターネット回線の種類に応じたルーターを選びます。
- LANの範囲と規模: 宅内の各部屋や階ごとにインターネット接続が必要な場所をリストアップし、デッドポイント(電波の届きにくい場所)を把握します。
- 接続デバイスの数: コンピュータ、スマートフォン、テレビ、ゲーム機など、接続予定のデバイスを確認し、それに応じたネットワーク機器を用意します。
3. 有線LANの設置
有線LANは、安定した高速通信を提供するための重要な要素です。以下の手順に従って設置します。
- 配線のルート決定: 配線経路を決定し、壁や床下を通す場合は配線チューブなどを使用して保護します。
- LANケーブルの選定: 高品質なLANケーブル(カテゴリ6またはカテゴリ6a)を使用することで、通信速度と安定性を向上させます。
- ルーターとスイッチの配置: ルーターを中心に据え、必要に応じてスイッチ(ハブ)を設置し、各部屋にLANケーブルを接続します。
- LANコンセントの取り付け: 各部屋の壁にLANコンセントを設置し、配線を整えます。
4. 無線LANの設置
無線LANは、モバイルデバイスや家庭内の移動時に便利です。以下の手順に従って設置します:
- ルーターの設置場所選定: 無線ルーターを家の中心に置くことで、電波が広範囲に届くようにします。高い場所や障害物の少ない場所がおすすめです。
- 中継器の使用: デッドポイントを減らすために、中継器(Wi-Fiリピーター)を設置します。これにより、電波の届きにくい場所でも安定した接続が可能になります。
- メッシュWi-Fiシステムの導入: 広範囲に安定した無線接続を提供するために、メッシュWi-Fiシステムを導入することも有効です。これにより、複数のアクセスポイントが連携してシームレスな接続が実現します。
5. セキュリティ設定
宅内LANのセキュリティ対策も重要です。以下の設定を行い、ネットワークの安全性を確保します。
- 暗号化の設定: 無線LANにWPA3などの強力な暗号化方式を設定し、外部からの不正アクセスを防ぎます。
- パスワードの設定: ルーターや無線LANのパスワードを強力かつ複雑なものに設定し、定期的に変更します。
- ファイアウォールの設定: ルーターに内蔵されたファイアウォールを有効にし、不正なトラフィックをブロックします。
6. メンテナンスとアップデート
最後に、定期的なメンテナンスとアップデートを行うことで、快適なインターネット接続を維持します。
- ファームウェアのアップデート: ルーターや中継器のファームウェアを定期的に更新し、最新のセキュリティパッチや機能を適用します。
- 接続デバイスの管理: 不要なデバイスの接続を切り、ネットワークの負荷を軽減します。
- 速度テストの実施: 定期的にインターネットの速度テストを行い、問題が発生した場合は原因を特定して対応します。
以上が、戸建て住宅における最適な宅内LANの設置方法です。有線LANと無線LANを併用することで、安定した高速通信を実現し、デッドポイントや速度低下を最小限に抑えることができます。
ぜひ参考にしてみてください。